「サファイア?」
立ち止まったあたしば振り返って、あいつはあたしの名前を呼ぶ。
おてんとさまの光が透けて、あいつの目が、すっごく綺麗に光る。
あたしは、この色が好き。口が裂けても言えないけれど、世界に
あるどんな色よりも、とても大切で愛おしい色。
見惚れてしまうほど、宝石のような、燃える紅の輝きは、
「どうしたの、サファイア」
急に立ち止まったサファイアを振り返る。名前を呼んでも
何故か返事をしない彼女は、ただ僕の瞳を見ているようだった。
でも、それはいけない。陽の光が照らす彼女の瞳は、むしろ
おそれを抱くほどの美しさをたたえ、僕を射抜くようだった。
己を忘れるほど、宝石のような、美しい藍の輝きは、
『『まるで、毒だ』』
逃れることの出来ない、御伽噺のような。