ここはちっぽけな自分の家であり広大な宇宙だ

小ネタ投下場だったブログを再利用。ぽつぽつよろずで書いていきたいなぁ。予定は未定。
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おかのうえで、りんごときみと。

 「ねえ、君、この村の人じゃないよね!どこからきたの?」
いつからか、村はずれの丘の上に立つりんごの木に、一人の少年が
現れるようになった。その少年は大体木の中ほどにある太い枝に腰掛けて、
村全体を見渡すようにしながら、いつもにこにこと笑っていた。だれもが
なんとなく声をかけることをしなかった中、晴れた日に声をかけたのは
その村の長の娘だった。少年は声にこたえて下を見下ろし、木から下りる。
「どこからだと思う?」
「ん?クイズ?わかった、当てるからね、当てるまで教えちゃだめだよ!」
「んー、そういうつもりじゃなかったんだけど、君がそういうなら」
食べる?と差し出されたりんごにかぶりつきながら、長の娘はまじまじと
少年を見つめる。少年の髪は、夏の新緑のように青々とし、その瞳は
それこそ今かぶりついているりんごのような、みずみずしい赤色をたたえている。
どこからだろう。どこからきたんだろう。長の娘は必死に考えていた。
娘の村は山に囲まれた広大な平地の中にぽつりと在る、小さな村だ。
歴史ばっかり古くて、特に何にもないところ。娘はずっとそう思いながら
暮らしてきた。ときたま風の噂で聞く、山の向こうにあるきらびやかな
都にも興味はひかれるけれど、いかんせん連なる山々は頑強な鉄柵が
ごとく平地を囲んでいて、超えようがない。そんなこの場所にふと現れた
のだから、不思議に思っても仕方がないことだった。しかも、自分と同い年
くらいの少年が、であるし。
「君たちの村は、ずっと昔からここにいるよね」
「あ、うん。父さんが言うには、何かを守るためにここに住み始めたんだって。
 私はよくわかってないけどね。なんにもない村だよ」
こんなところにいないで、遊びに来ない?母さんのパンはおいしいよ。
誘いの言葉に、少年はことばではこたえず、ただ笑んで、また木の上へと
登った。いつものように、遠くを見るような眼で村を見渡して言う。
「ここは、閉じた世界なんだよ」
「え?」
「世界は、失ってはいけない筈の【平穏】を、人と人の争いでちょっとずつ
 なくしていった。そして、今にも尽きそうになった。だから残り少ない平穏を、
 かき集めて、とじこんだ。宝物を大事にしまうみたいに。それがこの場所」
「・・・?」
「山々が険しいのは、ここが星の宝箱だからなんだ。
 大事なものが、うっかり外にでてしまわないように、宝箱のふたは
 しっかりと閉じるものでしょ?」
少年は笑みを変えない。ただただ、いとしそうに村を見る。村はずれの、
小高い丘の上にある一本の、りんごの木の上から。長の娘は、首を
かしげながらそんな少年を見上げた。
「・・・今の、おとぎ話か、何か?」
「君にとってそうなら、きっとそうだよ」

風が吹いた。広大な平地に、緑の草原に。いつもいつも毎日、吹くように。
創作 | - | -

執行者777 二丁拳銃

 (しくじった・・・!)
ルカは執行者街の建物の、屋根から屋根へと駆けていた。相変わらず
灰色のまま変わらない空模様に無償にいら立って舌打ちをしながら、
建物の間を走る、血管のような路地を目でたどる。目的の人物はいまだ
見つからない。それが、鼓動のはやさに拍車をかける。不安が肺の中を
満たして息が続かなくなる。どうする?どこにいるんだ、777!
(くそ、まさか上層部の連中が彼女に目をつけるなんて・・・!)
できるだけ目立たぬよう行動してきたつもりだった。気付かれぬよう、
ただの落ちこぼれに見えるよう、銃を持つことをやめ、あえて目の届く
扉番の役に就きながら、水面下で事を進めていくつもりだった。
でもそれはいつのまにやら、上の奴らにマークされてしまっていたらしい。
そして僕自身からしっぽをつかむのが難しいと考えた上層部は、僕と
唯一親交がある777を。よりにもよって、『あの娘』のたましいを使って
刺客をつくりあげるなんて・・・!!
(そもそも『あの娘』の件だって、僕以外誰も知らないはずだ。あいつら、
どこまで監視の目を広げているんだ!)
早く、早く見つけなければいけない。それこそ『あの娘』、いや、今は
『黒鷹』、あいつが777を見つける前に。ああ、こんなことなら、巻き
込むくらいなら、777に接触しなければよかった。そもそも、あの大勢
の中から、どうして彼女が目にとまった?彼女が『彼女』だったからだ。
駄目だと思いながら彼女にかまっていたのは?戦い方を教えたのは、
『あの娘』の件で口を出したのは、彼女だから、
(『彼女』が全部の始まりだったから)

『ねえルカ。私、たましいがめぐったら、ルカとまた友達になりたい』
『馬鹿なこと言っちゃだめだ。僕は執行者だ。君がたましいの循環に
 還れば、もう会えない。住む世界が根本から違うんだよ』
『それでも、それでも。記憶がなくなっても。ルカ、私、君の近くにいるよ』
『だから、それは、無理だよ。たましいはめぐるだけだ・・・僕が執行すれば
 もう会えないんだよ!絶対に!』
『無理じゃない。できるよ。ね、ルカ、きっと私を見つけてね。大勢に
埋もれても、覚えてなくても、ルカの目にとまるように頑張るから。
 ・・・だから、さよなら。執行、して?』
僕も、僕も同じなんだよ777、一度だけ、僕も下界の人間と交流を持ったんだ、
僕の二つの拳銃が『彼女』のたましいを狩ったんだ、そして君が、

このせかいに。



「こんにちは・・・777」
「・・・?」
「777、銃を構えて」
「!!カリバー、早く店の中へ」
「構えて・・・」
ミス・カリバーはあわてて店の中へと引っ込んだ。引っ込み際、
来ちまった、と小さいつぶやきをその場に残して。執行者街で店を営む
人たちには、技術がある代わり戦闘能力は全くない。かえって足手まといに
なるとわかっていたから、ミス・カリバーは早々に退散したのだ。
「あなたが、新人・・・?」
真黒な衣装。フードを深くかぶっていて、顔は見えない。ときたま風に揺れる
コートの隙間から見える、二丁の拳銃。間違いなく、ミス・カリバーが言っていた
人物に違いなかった。問いに答えず、漆黒を纏ったその人物はホルダーから
銃を取り出した。呪文のように繰り返す。「銃を、構えて」
「777、君に・・・恨みはないけど・・・上の人たちは・・・・・・君を消さない程度には・・・
 こいつを、君に、向けても・・・いいって言ってくれた・・・ふふ、嬉しい・・・・・・
 君と・・・777と・・・撃ちあえるなんて・・・かかわれるなんて・・・」
「どうして、私を?それに、私は、街中で銃を使う気は・・・」
「撃たなきゃ、777は・・・・・・撃たないと、駄目だよ・・・だって、そうしないと・・・
 私が君を、ハチの巣に・・・・・・」
バサリ。ひときわ強い風が、漆黒の人物のフードをあおった。その瞳に
浮かぶのは羨望、口元には微笑み、声音には執着。されど、それらで
飾られた顔は、あまりに強烈に、777の心に突き刺さる。なぜ?答えは、
至極簡単な解。
「・・・ルシカ・・・・!?」
「撃つよ、777、私は君を撃つよ・・・始めるよ、だってそうしなきゃ、撃ちあわないと。
だって、おぼえてないけど、わたしはきみがだいすきだから」
パン。
乾いた音が裏通りに響く。かちん、使用済みの弾が石畳をたたく。
左わき腹に灼熱の痛み。濡れた感触。ゆがんだ笑顔で笑うルシカ。
勝手に動く右腕、銃をつかむ右腕、時間が、これ以上なくゆるやかに流れ、
遅すぎて体が鉛のように重く、見開きっぱなしの目から、涙、ああ、ルシカに
執行した時に流した、これが涙、どうして、どうしてどうしてルシカが!!
「ルシカアアアアアアアァァァァァァァァ!!!!!!」
向けた銃口、向けられた銃口、連なる銃声、笑うルシカ、泣いている私。
「おいで777、もっと、もっと撃ちあおう、ね、君は、私が・・・」

代行人の街に銃声が響く。
創作 | - | -

赤の他人から始めましょう(DFF)

 現代パロで85(腐)ベース。温め続けてたネタのテスト投稿。




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別ジャンル | - | -

一生二人三脚

「・・・なんか、改めて言われると、・・・恥ずかしか・・・」
「そう?」
「なしてあんたはそう、なんの恥ずかしげもなく、そげなことが言えると?」
熱を持って、あきらかに真っ赤になっただろう顔を見られたくなくて、
抱きしめられている胸に甘えて隠す。いつの間にか差のついた身長。
たくましくなっていた胸板。そんな彼の腕に包まれている、この満たされた
感覚。何もかもが昔と変わった。昔は、自分がこんな風に考えてしまう
ことなんてないと思っていた。ただ、憧れの世界の話、そんな風に
見ていただけだったのに。
摺り寄せた頭に自分のソレを寄せて、ルビーは言った。
「だって、いつもそう思ってるから。僕がどれだけ君を想っているのか
 伝えたいだけだよ」
こんな、昔は張り倒していたようなキザな台詞さえ。
今では、どんどん彼を好きになってしまう、魔法の言葉。
ああ本当に昔がウソみたいだった、今みたいな日々が、本当に来るなんて!
「あたし、あたしは、そそっかしいけん。それに、ルビーみたく
 できんこともいっぱいある。気持ちだって言葉にして伝えるんは
 なかなか出来んとよ。あんた、それでもよかと?」
「いいって言ってるじゃない。それが僕が好きなサファイアっていう女性だし、」
こめかみにひとつ、口付けがおちる。
「長所短所まるごと全部、サファイアだから愛しい。
 それこそ、プロポーズしたことを一生後悔なんかしない」
「ルビー」
「これからずっと、よろしくね、サファイア」

あたしは、オダマキサファイア。ミシロでずっと、育ったと。
でも明日からは、オダマキじゃなくなるったい。
昔からずっと好きだった人と、一緒になるけんね。
これからどうなるかなんてわからんけど、
これだけは、言っておこうって思うったい。
あたしは今、さいこーに、幸せ!

ポケスペ(ルサ) | - | -

ダイパカテゴリについて

ダイパは 設定がいくつかわかれているのでそれぞれ追記から
設定をかいていきます。


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ダイパカテゴリについて | - | -

RSEカテゴリについて

ボーイッシュ気味なS♀主(♂主×♀主) と
センリさんに反抗期真っ只中なE♀主(カプなし)の話。

続きから簡単に設定。


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RSEカテゴリについて | - | -

FRLGカテゴリについて

♀主やポケモンの話がメイン。
たまにライバルが絡みます(ライ主)。


続きから 主人公及びライバルなどの設定です。



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FRLGカテゴリについて | - | -

されども歓びを以て受け入れよう

 「サファイア?」
立ち止まったあたしば振り返って、あいつはあたしの名前を呼ぶ。
おてんとさまの光が透けて、あいつの目が、すっごく綺麗に光る。
あたしは、この色が好き。口が裂けても言えないけれど、世界に
あるどんな色よりも、とても大切で愛おしい色。
見惚れてしまうほど、宝石のような、燃える紅の輝きは、


「どうしたの、サファイア」
急に立ち止まったサファイアを振り返る。名前を呼んでも
何故か返事をしない彼女は、ただ僕の瞳を見ているようだった。
でも、それはいけない。陽の光が照らす彼女の瞳は、むしろ
おそれを抱くほどの美しさをたたえ、僕を射抜くようだった。
己を忘れるほど、宝石のような、美しい藍の輝きは、





『『まるで、毒だ』』



逃れることの出来ない、御伽噺のような。

ポケスペ(ルサ) | - | -

わかってんだよ、そんくらい

「あ?来んなって?」
「そうだ!」
「なんであんたに俺の行動左右されなきゃなんねえんだ?」
「なにがなんでも!」
またか、と思った。目の前にいるのは、救助隊「いざよい」に
最近入隊した、バカぢからのミズゴロウだ。女のくせに女っぽさの
欠片もねえやつ。なんか知らねえけど、こいつはたびたび救助の
手伝いを断りにやってくる。勘だがこいつの独断で。
俺は俺の意志で手伝いたいとき手伝ってるし、それを第三者に
口出しされてやめる気も毛頭ないが、こう何度も言われれば
理由を気にしないほうがおかしいだろう。しかめっ面をしたままの
そいつにはあ、とため息をこぼした。
「おい、ひとがこれと決めたことにやめろって口出しすんなら、
 ソレ相応の理由くらい吐け。ガキじゃねえんだ」
「!」
「はいそうですかってすぐやめるような軽い気持ちで
 あいつを手伝ってんじゃねえんだよ、俺は」
元人間。災厄。世界を救いしもの。そんなものはあいつを飾る
余計な装飾に過ぎない。あいつはあいつとしてこの世界に居る。
呼吸をし、見て聞いて少し笑って、そうやって透明に
どこまでも澄んだ信念をもってただこの世界に息づくだけの、
なんら特別なことのないいきもの。ポケモン。
バカぢから女(目の前のコイツ)は口を引き結び、意を決したように
俺を睨んだ。へえ、そういう顔もできんじゃん。
「・・・ボクは。お前がユナさんと一緒にいるのが気に食わない」
「ほぅ」
「ユナさんは、カイさんと一緒に居るのが一番自然だ。
 たまに、笑うよ・・・すっごく綺麗に。ボクはそれを崩したくない」
だから、こないで。そいつは言った。
新人とはいえ、こいつはよく観察できているようだった。こいつが
言ったことはそのまま俺がユナを見ていてわかっていることだ。
あいつが一番自然体でいるのはカイの隣だし、一番笑顔を見せるのも
カイの隣だ。それはもう崩しようなく堅牢に、ユナの意志の柱。
そう、崩しようが、なく。
「・・・わかってんだよ、んなことは」
「え?」
「俺だって鈍いわけじゃねえ。最初から知ってる。あいつらを、
 ずっと始めのときから見てきた・・・気付かねえわけねえだろ」
「だったら、」
言い募りかけたそいつに手のひらをむけて言葉を制する。
「わかっててやってんだ。俺はカイみたくあいつの横にいつも
 居られるわけじゃねえ。わざとやってんだよ。これくらい許せ」
ほんのたまに、あいつの意識が向く先にいられるならそれでいい。
あの赤い目が、俺を見て、カイに向ける笑顔と違っていても、
笑んでくれればそれでいい。刹那でも、隣に居て、並んで歩けるなら。
それでいい。それでよかった。これからもずっとそうだ。
「・・・」
「あいつはいい女だ。でも自分を大事にしない。カイの手に
 余るときもある。そういうとき、少し守れりゃ満足だ。
 あんたもちゃんと、見といてやってくれ。あいつは
 油断ならねえぜ?」
踵を返す。バカぢから女に背を向ける。待て、という制止の声
には耳を貸さず、手だけ振っておいた。
「・・・わかってんだよ・・・んなことは・・」
余計なこと喋っちまった、心の中だけで舌打ちして、俺は
自分の住処に帰ることにした。
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救助隊 | - | -

地獄地下道ご案内

「あんたぁ、馬鹿な人だ」
おもむろにキセルを吸い、細く長く煙を噴出しながら男は言った。
着崩したような着物のあわせから片手を出して、だらしなく座りながらも
男の目は強く底光りをみせ、只者でない様子をうかがわせる。
使い込んだ草履の裏で足元の灰を地面にかき回し、わざとなのか、
腰元の脇差をちらつかせた。
「こんな世界に、わざわざ足を突っ込んでくるような奴ぁ、
 今までごまんといたがね。あんたさんのように、ここまで無謀な
 奴ってのぁ、初めてだ。
 あんたさん・・・自分の首、賭ける覚悟あるんかい?」
知っている。この男は「そっちの世界」から足を洗った伝説の男。
今この瞬間、俺が死んだなんて自覚する隙すら与えず首を落とすなんて
この男にはたやすいはずだ。表の世界で、とはいえそれこそ底辺の、
泥水をすするような生き方を、血で血を洗うような生き方をしてきた
俺の全てを見切りながら男は話している。
これは試験だ。この男の眼鏡に適うかどうか。適わなければ、死あるのみ。
「あると言えば嘘になる。ないと言っても、嘘になる」
「ふぅん。続けて」
「俺は、生き延びる覚悟をしてる」
「へぇ。目ん玉えぐられても?生きたまま皮を剥がれても?
 手足もがれても?男の証取られちゃっても?」
それでも絶望せんで生きられるのかい。言外に含まれる問。
当然だとは言わない。
「それでも生き延びたい」
「はっは。青臭いねぇ」
だがそこがいいかもしんないねぇ。ふたたびキセルをくわえる男。
独特のリズムで床を叩くと、ガコン、とそこがくぼむ音。
「近頃とんとみかけやしねぇ、青臭い青年よ。面白くなりそうだし、
 案内してやるよ。死んでもあんたさんの責任な。俺ぁ一切手出ししねぇから」
こっちの世界じゃあ血の花も趣ってな。くぼんだ床に現れた階段を
降りていく男についていく。踏み込んだ世界からは、もう二度ともどれはしない。
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